日本のお米は高いのか安いのか…

早いもので今年も残すところあと一日。来年こそは一日一日を大切にし…いや、毎年同じことを言っている気がします(^_^;)
さて、普段それほど農業のことを考えているわけではありませんが、やはり自由化と聞くと不思議と身構えてしまいます。
自由化を考える前にするべきことが一つあって、それは「日本農業はそもそもどうあるべきなのか」という答えを出すこと。
これが分からなくては自由化だってできません。由るべき自がないわけですから…(^_^;)
そこで考えるのが(雪どけ水の場合)日本のお米は高いか安いかという問題。これは答えがまだ出しやすい。高いか安いかの二者択一ですから。
と、いうわけで、まずは「安い」と考える人の御意見。Web雑誌『マガジン9』の連載企画「やまねこムラだより」からの引用です。
(引用はじめ)
やまねこムラだより第47回 日本の「高い米」はほんとうに高いのか?
http://www.magazine9.jp/neko/101208/
(略)都会の皆さまは、おそらくスーパーマーケットあたりでお米を購入されておられるのだとおもいます。
たとえば、5キロでいくらのお米を買われていますか?
うちは、新潟魚沼産のコシヒカリだから5キロで4000円というかたもおられるでしょう。でも普通は、5キロで1500円から2500円のあいだ、という方が多いのではないでしょうか。
ただいま、日本人の平均のお米の消費量は、年間60キロ弱。月にならせば5キロ。主食の値段が、一人あたり月に1500円~2500円の出費ということになります。
1日あたりにすると、50円~83円。魚沼産コシヒカリでも133円。
この値段が、現在の不況下の日本にあっても、高いとおもわれるでしょうか?(略)
いっぽう、米農家の立場になってみます。
日本全体のことはわかりませんので、やまねこムラの実態をふまえて申しあげます。
岩手県の南部に位置するやまねこムラは、おいしいお米の産地です。おもに「ひとめぼれ」という品種のお米を作っています。
平均して、ムラの米農家の反収(10アールあたりの収穫)は、480キロぐらいでしょうか。お米は60キロを1俵、と数えますので、480キロの収穫なら「反収8俵」といいます。
この米を、米農家の多くは農協(JA)に納めます。すると、「概算金」という名で、米の代金が仮払いされます。これが、米農家の収入の基本になるのですね。
この概算金が、今年は1俵8700円でした。昨年は1万2300円でしたから、一挙に3600円減ってしまいました。30%近く、米の値段が下がってしまったのです。
1ヘクタールの米農家で、反収8俵なら、全体の収穫は80俵(4800キロ)ですから「概算金」は、8700円×80俵=69万6000円です。
これにくわえて、今年から戸別所得補償金が10アールにつき1万5000円出るようになりましたので、1ヘクタールなら15万円のお金が入ります。合計すると、84万6000円。これが、経費や人件費を含めた米農家の1年間の収入です。
経費のなかには、トラクターや田植え機の燃料代、苗代、肥料代、農薬代、水利権代、地代などが入ります。4月の田おこしから始まって、5月の田植え、夏の除草や水管理、秋の害虫防除、稲刈り、乾燥、脱穀などの人件費を考えれば、どう節約しても赤字になってしまうのが現状です。
そういう収支決算は別にしても、1ヘクタールの水田を経営して、春から秋にかけて懸命に働いて収穫した80俵(4800キロ)のお米が、戸別所得保証金を含めても、米農家には85万円弱にしかならないのです。5キロあたり、881円です。
昔風に表現すれば、1升(1.8リットル=1.5キロ)のお米が、米農家には264円の収入にしかならないのです。
500ミリリットルだと、74円弱です。
コンビニやスーパーで売っているお茶や水が500ミリリットルのペットボトルで98円ぐらいですから、水やお茶より安いということになります。
これでも、日本の米が、ほんとうに高いということなのでしょうか? (略)
(引用ここまで)
米農家は大変ですなぁ…(*_*)
これを読むと、やはり日本のお米は安いのだという答えが出てきそう。ですがそう簡単ではありません。今度は高いという御意見。美しすぎるブロガーきっこさんのtwitter(^^♪
(引用はじめ)
http://twitter.com/kikko_no_blog
あたしは東京の山の手のそれなりのレベルの賃貸マンションに住んでて、車も原チャリも持ってて、たぶん日本人の平均よりも上の生活をしてると思ってる。それでも主食のお米が高くて買えないから、1年の3分の1は500g80円のスパゲッティーや安い輸入の小麦粉を主食にして生活してる。
約17時間前 webから
一生懸命に働いて真面目に税金を納めてる国民が、国の主食のお米も買えないなんて、菅さん、この国っておかしいと思わない? それとも、自分は何万円もする豪華な食事を毎日続けてるから、虫ケラみたいな国民のことなんてどうでもいい?
約17時間前 webから
そう言えば、九州で病気で働くことができないのに、生活保護の申請を受け付けてもらえずに、「おにぎりが食べたい」ってノートに書き残して餓死した人がいたよね。(略)
約17時間前 webから
(引用ここまで)
誤解の無いよう付け加えておきますが、きっこさんが怒っているのは政府の無策。農家に怒っているのではありませんm(_ _)m
ですが、こちらも大変です。結果から言えば日本のお米は「高い」のです。求めている人が買えないなんて、高いとしか言いようがない。
生存に直結する主食が買えない人がいることの重大さを生産者も肝に銘じておく必要があります(-_-)
皮肉っぽく言えば、生産者が貧困スレスレで作ったお米なのに、当の貧困層が買えないのです。ヒドイ皮肉です(T_T)
日本のお米が高いのは理由があります。要約すれば、自由化に備えてブランド志向を高めた結果。しかもそれは現在も国策として続けられています。
ブランド農産物は栽培に手間がかかる。よって農家は大変。価格も高くなるわけです。
しかも高い農産物を作り過ぎた結果、安い農産物を求めて自由化の声も高くなる。自由化に備えて生産者はますますブランド化を進める。皮肉ですねぇ…(_ _)
とはいえ食糧を自由化して、供給を輸入に頼るのは限界があります。世界的に見れば食糧はだんだん品薄傾向ですから。
安く食糧を輸出するような国はたいてい政情不安です。飢餓輸出ってやつですね、供給源としては頼りない。いや、そもそも飢餓輸出なんて許すべきではないですが(-_-メ)
結局、どこかで日本農業は保護に転じなくてはならないということ。生産者を守るためだけではなく消費者をも守るためです。
ただ、そのためには生産者が謙虚である必要があります。JAを梃子に政治ごっこをしているようじゃ、いつまでたってもダメですな(^O^)/
農家が買うの?(ノウカガカウノ)
ゴパン賛成。
お粗末さまでした(^o^)
スポンサーサイト