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一人一票(地方は切り捨て)国民会議

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新潟県は豪雨で大変でしたが、まるでそれを逆撫でするかのように今日(31日)見た朝刊には一面分の大きな広告がバーンと掲載されていました(^_^;)
不況で新聞広告がだいぶ安くなっていることは聞いていますが、しかし資金の潤沢な団体ですな。
ま、三木谷浩史・楽天会長とか、奥谷礼子・ザ・アール社長なんかがメンバーだから当然といえば当然か。一人一票実現国民会議の全面広告でした(-_-メ)
民意が多様化したこのご時世に、何の前提もなく国民会議を名乗るのですから胡散臭さが三倍増です。広告の中身もなかなか挑発的。その主張をちょっと書き出してみましょう。

1、 もし、「女は0.95票、男は1票」の男女差別があったら、許せない!
2、 「自分の選挙権が0.95票」ということは一人前以下ということです。許せるわけない!住所差別です!できる限り一人一票にすべきです!
3、 ニュージャージー州での米連邦下院選挙で、1票対0.993票の住所差別でも、違憲無効の連邦最高裁判決(1983年)が出ていると聞くと、尚更です。
4、 参院選挙で、鳥取県の選挙権を1票とすると、北海道は0.21票です。同じ地方選挙で、この住所差別!


感嘆符の連続で「!」を数えてみると5つありました。この短文内です(*_*)
それから「住所差別」という聞きなれない言葉が出ています。ちょっとお聞きしますが「一票の格差」は「住所差別」に原因があるんですか?そんな話は聞いたことがないけど…。
何より嫌味なのは、鳥取県という具体的な県名まで挙げて(広告中には地図まで掲載)ことさらに不公平感をフレームアップしていること。
バカバカしい。そりゃ選挙の票に格差があるのは問題ですが、しかし別にそれは鳥取県の人が画策してそうなったわけではない。
鳥取県の1票が重くなったのは結果としてそうなっただけのこと。鳥取県民には何の責任もないことです(^O^)/
それなのに、ことさらに「住所差別」などという新語を持ち出して、さも差別する主体が(どこか特定の地方に)あるかのように偽装する…。
敵をどこか一か所に仮定して、そこをバッシングすることで支持率を上げる。これって小泉首相が最も得意としていた政治手法。まるでそれに瓜二つです(^^)(^^)
だいたい地方同士で討ち合いをさせるような文飾を用いて国民をことさらに分断する。よくそれで「国民会議」を名乗れたものです。聞いて呆れるよ。

細かいことを言いますが、アメリカは日本以上に1票の格差が大きい国です。なにせ上院は一つの州から、人口を全く考慮せず、必ず二人の議員が選出されるのです。
単純に一人一票が実現すれば平等だというわけではない。ちなみに権威があるのは下院よりも上院の方です。オバマ大統領も上院議員でした。下院出身の大統領はまだいません。

そもそもなぜ一票の格差が生まれるのかというと地方と都市の経済格差です。貧しい地方から都市部へと人口が流入する。結果として人口が不均等になり格差が生まれるのです。
だから一票の格差を是正したいのなら、まず経済格差を何とかするのが本筋です。そうでなければ選挙制度をいじっても、またすぐに格差が開いて堂々巡りでしょう(-_-メ)
いちおう時々は選挙区割りを見直して格差を「是正」していますから、票の格差と経済格差は完全には一致しません。そこは念押ししときます。

一番ひっくり返ったのは、在日外国人に選挙権を与えることにあくまでも反対するジャーナリストの櫻井よしこさんが実現会議のメンバーに入っていること。
在日外国人は一人一票の「一人」には入っていないのでしょうか?この日本に差別があるとするならば、むしろそういう構図こそが問われているのです。
バカバカしくて話にもなりません。ファシズムは善意の顔をしてやってくるという諺がピッタリくるような後味の悪い広告でした。ホンネは司法のネオリベ化が目的かな???
広告の背景色にやたらと黒を多用していたところも、この団体のセンスの悪さを窺わせましたね(^^♪

差別断つベさ(サベツタツベサ)

だったら鳥取県に住めば良いんじゃない?(あえて言う)
お粗末さまでした(^o^)
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テーマ : 選挙 - ジャンル : 政治・経済