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ところで菅総理は脱原発なのか???

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考えてみれば7月13日というのは何とも中途半端な日に記者会見をしたものです。11日なら四ヶ月目の区切りですが…。
逆にいえば、この会見があらかじめ用意されたものでないことを意味します。追い詰められて開かれた会見。その内容が思い付きに終始したのは理の当然かもしれません。
総理会見の冒頭発言と質疑応答はこちらでご覧になれます。関係部分のみ引用しますが、それ以上の興味がある方はリンク先からどうぞ(^^♪

(引用はじめ)
菅内閣総理大臣記者会見(首相官邸HP)
http://www.kantei.go.jp/jp/kan/statement/201107/13kaiken.html
【菅総理冒頭発言】
 (略)そういった中で、原発、あるいはエネルギー政策について、私自身の考え方を少し明確に申し上げたいと思います。私自身、3月11日のこの原子力事故が起きて、それを経験するまでは原発については安全性を確認しながら活用していくと、こういう立場で政策を考え、また発言をしてまいりました。しかし、3月11日のこの大きな原子力事故を私自身体験をする中で、そのリスクの大きさ、例えば10キロ圏、20キロ圏から住んでおられる方に避難をしていただければならない。場合によっては、もっと広い範囲からの避難も最悪の場合は必要になったかもしれない。さらにはこの事故収束に当たっても、一定のところまではステップ1、ステップ2で進むことができると思いますが、最終的な廃炉といった形までたどり着くには5年10年、あるいはさらに長い期間を要するわけでありまして、そういったこの原子力事故のリスクの大きさということを考えたときに、これまで考えていた安全確保という考え方だけではもはや律することができない。そうした技術であるということを痛感をいたしました。
 そういった中で、私としてはこれからの日本の原子力政策として、原発に依存しない社会を目指すべきと考えるに至りました。つまり計画的、段階的に原発依存度を下げ、将来は原発がなくてもきちんとやっていける社会を実現していく。これがこれから我が国が目指すべき方向だと、このように考えるに至りました。
 しかしその一方で、国民の生活や産業にとって必要な電力を供給するということは、政府としての責務でもあります。国民の皆さん、そして企業に関わっておられる皆さんの理解と協力があれば、例えばこの夏においてもピーク時の節電、あるいは自家発電の活用などによって十分対応できると考えております。この点については、関係閣僚に具体的な電力供給の在り方について計画案をまとめるように既に指示を致しております。
 これまで私が例えば浜岡原発の停止要請を行ったこと、あるいはストレステストの導入について指示をしたこと、こういったことは国民の皆さんの安全と安心という立場。そしてただ今申し上げた原子力についての基本的な考え方に沿って、一貫した考え方に基づいて行ってきたものであります。特に安全性をチェックする立場の保安院が現在原子力を推進する立場の経産省の中にあるという問題は、既に提出をしたIAEAに対する報告書の中でもこの分離が必要だということを述べており、経産大臣も含めて共通の認識になっているところであります。
 そうした中で、私からのいろいろな指示が遅れるなどのことによって、ご迷惑をかけた点については申し訳ない、このように関係者の皆さんに改めてお詫びを申し上げたいと思っております。
 以上、私のこの原発及び原子力に関する基本的な考え方を申し上げましたが、これからもこの基本的な考え方に沿って、現在の原子力行政の在り方の抜本改革、さらにはエネルギーの新たな再生可能エネルギーや省エネルギーに対してのより積極的な確保に向けての努力。こういったことについて、この一貫した考え方に基づいて是非推し進めてまいりたい。このことを申し上げておきたいと思います。

(引用ここまで)

官僚用語というか微妙な言葉の言い換えが気になります。原発のない社会ではなく「原発に依存しない社会」。アルコールは止めない、アルコール依存をやめるだけだ…ウィ~。
危険とは言わずに「これまで考えていた安全確保という考え方だけではもはや律することができない」。説明を聞いても、分かるような分からないような遠回しな言い方です。
うがった見方をすれば、安全だけでは足りないから安心も与える…その程度の意味とも見えます。そうではないことを祈ります(+_+)
で、もっとも気になった部分が「将来は原発がなくてもきちんとやっていける社会を実現していく」今はきちんとやってないのでしょうか???
むしろ原発があって事故を起こしたからきちんとできなくなったのではないでしょうか。原発が止まっても国民は節電にボランティアにと「きちんと」やってますよ。
将来はともかく、今は原発がないと「きちんと」やっていけないから原発を再稼働する…そんな底意が見え隠れします(;一_一)

あまり細かいことは言わないようにしますが、全体の調子としては「そういった中で」「私としては」「考えるに至りました」というフレーズが目に留まる…。
あ、よく読めば冒頭に「私自身の考え方を少し明確に申し上げたいと思います」と言っていたのでした。つまり個人の願望を述べただけなのですね。
この意味で枝野官房長官の発言は的を射たものです。官房長官として首相の発言の補足説明をしたに過ぎません。別に造反とかではないということです。
↓↓↓
脱原発は首相の希望、内閣の目標でない…枝野氏(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110714-OYT1T00622.htm?from=tw

ちなみに雪どけ水は、原発は即時にすべて廃炉という考え方ですが、二〇年くらい掛けてゆっくり廃炉にすべきという考え方も、有り得るものだと捉えています。
ですが菅総理の発言はそのどちらでもない。これを脱原発発言だなどと読んだらドイツのメルケル首相が怒り出します。ワタシが命懸けで下した決断と一緒にするな…とね(>_<)
けっきょく泉田裕彦新潟県知事のコメントが一番まっとうな捉え方をしていると言えそうです。泉田知事は脱原発でも親原発でもない実務派ですが、それだけに冷静に見ています。
↓↓↓
菅首相の原子力発電に関する基本的考え方に関する知事コメント(新潟県HP)
http://www.pref.niigata.lg.jp/genshiryoku/1310504543406.html
 総理会見は、福島原発の事故以降、多くの国民が感じている原子力発電に対する不信と国民の中で生じている新しいエネルギー政策に対する期待という現実を追認しただけであり、特に目新しい政策説明はありませんでした。
 電気料金や発送電分離を含む電力業界のあり方をどうするのか、原発に依存する地域に対する対応をどのように考えているのか、電力不足による産業空洞化の危機にどのように対応するのか等の具体的な施策や期限についての言及もありませんでした。
 加えて、原発事故後、5月にフランスで開催されたG8の際に、原子力は引き続きエネルギーの柱の一つと位置づけた総理自身の発言とも整合性がありません。ベトナムに売り込みをしている原発との関係や、昨日、国会で表明した原子力発電所の国有化政策とどのように関係するのかも不明です。
 既に退陣を表明している総理から重要政策について一貫性のない発言がなされることに違和感を覚えます。


菅直人総理は今まで消費税増税・TPP・ネット監視法と国民生活を破壊するような政策ばかり上げてきました。それでなんで「脱原発」だけはマトモにすると思えるのか。
増税で消費を冷やして、TPPで農業をガタガタにして、ネットを潰して情報アクセス権を取り上げたら、日本は原発でも作るより他なくなります(@_@;)
ちょうど農業が潰れ、消費が冷え込み、人の往来が途絶して情報僻地になった過疎地域が原発立地地域になることで辛うじて地域を持続させているのと同じように、です。
それで万が一にでも「脱原発」が実現してしまったら、どうやって政策の整合性を付けるつもりでしょうか。ここは少し考えてほしいところです(-_-メ)

キツイ、もう、思い付き(キツイモオオモイツキ)

(今日もコピーが多かった)
お粗末さまでした(^o^)
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テーマ : 民主党・菅直人政権 - ジャンル : 政治・経済