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郷土の英雄!?山本五十六??


http://www.youtube.com/watch?v=1_xREYm4Nh4&feature=related
動画です。『動畫 魔神英雄伝ワタル 2 op 「step by step」』昔のアニメに心いやされる日々…(^_^;)

昨日(8日)Twitterでたまたま山本五十六の話題が出たのですが、そこで新潟の人間は山本五十六を持ち上げすぎるという結論(?)に達しました。
まあ、新潟県長岡市出身。いわゆる賊藩(奥羽越列藩同盟)の出身ながら海軍大将・連合艦隊司令長官まで上り詰めたといえば立志伝中の人物ではあります(^_^;)
人柄が立派だったことは多くの人が指摘するところ。没後も名言集が良くつくられます。雪どけ水は中でもこの言葉が好きですな。
↓↓↓
「いまの若い者は」などと、口はばたきことを申すまじ

実年者は、今どきの若い者などということを絶対に言うな。
なぜなら、われわれ実年者が若かった時に同じことを言われたはずだ。
今どきの若者は全くしょうがない、年長者に対して礼儀を知らぬ、
道で会っても挨拶もしない、いったい日本はどうなるのだ、などと言われたものだ。
その若者が、こうして年を取ったまでだ。
だから、実年者は若者が何をしたか、などと言うな。
何ができるか、とその可能性を発見してやってくれ。


全くその通りです(^^♪
ですが12月23日に映画が公開されるとなると話は別。何だかキナ臭いにおいがするなぁ…。
しかも新潟県が観光客誘致を当て込んで何だかフィーバー気味。気持ちは分かるが息苦しいぞ(*_*)
今日の朝もNHKが映画の紹介をしていました。いちおう言っておけば原作は歴史家の半藤一利氏で、メッセージ性の強い良心的な内容になってはいるようです。

前述のように山本は賊藩から軍界・官界の頂点に上り詰めた人物で、人柄もいい。しかも中途で戦死しており悲劇性も強い人生です。人気が出ないはずはない。
でも、この時代にそれで良いのか?と思います。山本は軍人です。そうでなくてもキナ臭いこの時代に、わざわざ何も軍人を褒めたたえる映画を作らなくたっていいだろう…。

山本の業績についてはWikipediaに要領よくまとめられています。抜粋ですが読んでみれば概略はつかめます。

(引用はじめ)
山本五十六(Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B1%B1%E6%9C%AC%E4%BA%94%E5%8D%81%E5%85%AD
山本 五十六(やまもと いそろく、1884年(明治17年)4月4日 - 1943年(昭和18年)4月18日)は、新潟県出身の大日本帝国海軍の軍人。第26、27代連合艦隊司令長官。位階勲等は元帥海軍大将・正三位・大勲位・功一級。ソロモン戦線で米軍の攻撃によって戦死するまで、太平洋戦争(大東亜戦争)前半の日本海軍の攻勢作戦、中でも真珠湾攻撃とミッドウェー海戦での総指揮に当たったことから、海外でも太平洋戦争の日本を代表する提督として広く知られる。

肯定的な評価
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B1%B1%E6%9C%AC%E4%BA%94%E5%8D%81%E5%85%AD#.E8.82.AF.E5.AE.9A.E7.9A.84.E3.81.AA.E8.A9.95.E4.BE.A1
・兵学校卒業時に教官より「もっと喋れ」と注意され、自身に対しても「温にして直」と戒めている。しかし、知己には明るく冗談好きで、上の人とはしっかり付き合い、下の者に対しては人情味があり礼儀正しく、面倒見もよかったので同僚や部下からの信頼が非常に高かった。
・当時の欧米事情に詳しく、日独伊三国軍事同盟や日米開戦に最後まで反対していた。
大艦巨砲主義が趨勢の中、いち早く航空機に着目し、陸上機爆撃機を加えた海軍航空隊の育成に尽力した。
・日米開戦が開始されると「短期決戦・早期和平」という日米間に於ける国力の差を冷静に分析した現実的な作戦計画を実施しようとした。

否定的な評価
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B1%B1%E6%9C%AC%E4%BA%94%E5%8D%81%E5%85%AD#.E5.90.A6.E5.AE.9A.E7.9A.84.E3.81.AA.E8.A9.95.E4.BE.A1
・軍令部の作戦計画を退け、連合艦隊主導の攻勢作戦を立案し実施した。
・機材・人材の補給継続の困難な航空機を主体とする独断専行の攻勢作戦の長期化は国力の限界を超えるものとなった。吉田俊雄は防弾能力を軽視した日本軍航空機の設計(特に九六式陸上攻撃機と一式陸上攻撃機)を例に出し、山本を含めて航空要職の者が航空戦の本質を知らず、バランス感覚もなかったとしている。
・真珠湾攻撃やミッドウェー海戦に見られる様にその作戦計画は、投機的な危険を伴う作戦であった。真珠湾攻撃では、浅い海だったため沈んだ米戦艦はすぐに浮揚修理され、また米空母の捕捉にも失敗した。ミッドウェー海戦では、作戦準備にかけられる時間が不足していた上に、作戦指導と連携の失敗により正規空母4隻(赤城、加賀、蒼龍、飛龍)を一挙に失った。(略)
・山本は情の厚い人物だったが、人物を己の好き嫌いで分ける傾向があった。好きな人物には肝胆相照らす親密さを見せるが、嫌いな人物には必要最低限の事しか喋らず、それが公務にも及んだ。また人材の多様化に消極的であった。

(引用ここまで)

ようするに三国軍事協定に反対したことや、いち早く軍用機の有用性に着目したこと。敗戦をはやくから予見していたことなどが評価されるべきことのようです。
当時としては卓見だと言えます。優秀な官僚政治家だったということでしょう(^_^;)
反面、非難されるべき点というのは、実際の用兵が下手だったということ。軍人なのだから致命的な欠点です。それはそうです。
派閥を作るのは政治家としてなら重要な任務ですが、軍人としては恥ずべきことです。そこは指摘しておかねばなりません(;一_一)

ただ優秀な軍務官僚という側面に注目してさえ、あんまり持ち上げすぎるのもいかがなものかと思います。
旧日本帝国がなぜダメになったかといえば軍部が力を持ちすぎたからです。軍部は力を持つこと。憲法上そう決められていたのです。
議会も、新聞も、軍部を抑制できないまま日本軍は規模を拡大していき、大剣を背負った痩せザムライなどと揶揄されるようないびつな国家体制になりました。
そこで国の経済を維持するために、戦争を公共事業のようにして国家を維持してきたこと、現在のアメリカと変わりがありません(^_^;)

そこで山本五十六らがしたことは、力を持った軍部に間違った政治を如何にさせないかということだったのです。
軍部が力を持つこと自体は疑問を抱かなかった。軍縮にもどちらかといえば否定的です。そこに最大の問題があります(;一_一)
敗戦は嫌なものですが、もし敗戦が無くて今も軍人政治が続いていたら日本は北朝鮮よりも悲惨な国になったことでしょう。

むろん個人の力で出来ることなど限界があったし、現在の目線で過去を避難することの愚かさも承知しています。
ですが、なぜ今山本五十六の映画公開を、それも大々的にするのか…となれば、むしろ山本の同郷人として一言言わざるを得ません(-_-メ)
山本五十六本人だって、そんなことは望まないと思います。あれほど若者を擁護した人物です(^_^)
「おいおい俺なんて映画にするより、いま被災地で汗を流している若者をクローズアップするような映画を作るべきなんじゃないかい」そんな風に言うような気がしますね(^^♪

最後は山本の有名な道歌から。震災で人が疲弊しているような時に、戦争の映画ってふさわしくないような気がやっぱりします。

やってみせ いって聞かせて させてみて、
褒めてやらねば 人は動かじ


56(イソロク)より39(ミク)でお願いします(^O^)/
お粗末さまでした(^o^)
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テーマ : 軍事・平和 - ジャンル : 政治・経済