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2011年なのに公害病ってありえねぇだろ!!


つい最近耳にしたばかりのニュースですが「大阪府寝屋川廃プラ」問題。思わず戦慄するような話です。最初はスジの悪いトンデモ話かと思いました。
だって、この話が本当なら大気汚染由来の公害病。1960年代ならいざ知らず2011年にそんな話が…しかし、あるといわざるを得ません(@_@;)
今回は『雪裏の梅花』にしては長文の記事。引用も多め。最初はまず『読売新聞』から。

(引用はじめ)
複数の市民に症状 因果関係結論出ず寝屋川市は「不要」 健康調査急げ
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/osaka/kikaku/021/53.htm
 寝屋川市打上で操業しているプラスチックリサイクル工場近隣の住民28人が、「有害物質が排出され、健康被害が生じる可能性が極めて高い」として操業差し止めなどを求める訴訟を地裁に起こし、約1年半がたった。裁判で住民側、工場側の主張が平行線をたどるなか、操業を許可した市は3月上旬、府と合同で周辺の大気調査を実施することを明らかにした。健康被害との因果関係を明らかにするうえで重要な調査だが、まだ欠けているものがある。それは住民の健康調査だ。(坂木二郎)
 「見て下さい。工場の操業が始まってからこうです」。原告団の一人で市民団体「廃プラ処理による公害から健康と環境を守る会」事務局長の長野晃さん(63)が、私にひび割れた両手を差し出した。「化学物質過敏症だと言われました。近所には手や足が湿疹(しっしん)だらけの人もたくさんいます」
 廃棄物処理会社「リサイクル・アンド・イコール」(寝屋川市)のプラスチックリサイクル工場は、JR東寝屋川駅の北西約1キロにある。2005年4月に操業を始め、廃プラスチックをリサイクルして倉庫などで使う荷台(パレット)を製造。府がリサイクル事業を推進するために定めた「大阪エコエリア構想」にも加わっている。
 提訴は同年8月。目のかすみ、足や指のけいれんなどの症状があった住民たちが、「工場以外に原因が考えられない」という結論に達した、という。(中略)
■◇■
 今回の訴訟の前、住民らは工場の操業差し止めの仮処分を地裁に申請したが、地裁は05年3月、「有害物質発生の可能性は高いが、民家までは100メートル以上離れており、環境基準を確実に下回る」などとして、申請を却下。今回の訴訟では弁論が続いており、現時点で住民の健康被害と工場の因果関係について結論は出ていない。
 ただ、一方で複数の市民に症状が出ているという重い〈現実〉がある。原因を突き止めるためにも、市は住民への健康調査も実施し、実態を明らかにすべきではないか。
 「なぜ、健康調査をしないのか」と度重なる住民からの要望や市議会での質問に、市は一貫して「健康調査の必要はない」との姿勢を崩していない。公共の福祉を守るためにも、市は問題を先送りにするのではなく、早急に再考すべきだと思う。
■クリップ■
 化学物質過敏症 微量の化学物質で引き起こされる健康被害。化学物質に接する機会の多い人が発症し、シックハウス症候群もその一つとされる。目のかすみや頭痛、せきなど多くの症状があり、個人差が大きく、治療法は確立されていない。

(引用ここまで)

ところがこの裁判は地裁・高裁ともに原告・住民側の敗訴に終わりました。
もう少し詳しく書いてあるブログを御紹介。『Limnology 水から環境を考える』さまの記事より。記事は二つ分です。

(引用はじめ)
■[つぶやき] プラスチックリサイクルがもたらした公害を巡る裁判
http://d.hatena.ne.jp/Limnology/20101213
「廃プラ処理による公害から健康と環境を守る会」(http://haipura.com/index.html)が発行している「廃プラウォッチングニュース」59号が届きました。新領域創成科学研究科からは柳沢先生と私のコメントが掲載されています。
大阪府寝屋川市の住宅地に近接して、廃プラスチックリサイクル処理施設が、住民の反対を押し切って建設されました。その稼働後、住民の方々にシックハウス症候群類似の症状(眼、鼻、喉、呼吸器などの粘膜刺激症状や皮膚症状など)が集団発生しました。廃プラスチックリサイクル処理施設との因果関係を巡って、1月25日の控訴審判決待ちの状態です。
この公害病については、9月3日記事や7月4日記事で詳しくご紹介しました。
守る会のリンクに、なぜ裁判所に訴えているのか(http://haipura.com/news/data/saibansho_news1.pdf)、どのような症状がでているのか(http://haipura.com/news/data/saibansho_news2.pdf)が簡潔にまとめられています。
下記は柳沢先生のコメントです。
「『環境対策』という呪文で思考を停止してはいけません。科学技術の進歩に望ましいものとそうでないものがあったように、「環境対策」にも望ましいものとそうでないもの、あるいは実施してもよい場所と実施してはいけない場所があります。」

■[つぶやき] 廃プラ裁判2審判決健康被害認めず 専門家・医師の意見書はことごとく不採用
http://d.hatena.ne.jp/Limnology/20110129
廃プラスチックリサイクル処理施設とシックハウス症候群類似の症状の集団発生との因果関係を巡って争われていた寝屋川廃プラ裁判、大阪高裁は1月25日、1審判決を支持し控訴棄却の判決を行いました。1審判決は「住民が訴える健康障害は、心因性、加齢のせい」とし、「公共性、公益性があり、忍従すべき」としていました。その判決が正しかったとするものです。
判決では、環境基準や指針値のある規制対象物質11種類を大阪府・寝屋川市が調べた結果、すべて環境基準値以下だったので廃プラ工場による健康被害は考えられないとしています。しかし調査した規制対象11物質は、大気汚染化学物質の一部に過ぎません。現在規制対象になっている化学物質だけが健康悪化の原因とする科学的根拠はありません。過去に起こった公害病、例えばイタイイタイ病や水俣病でも、発生時には原因物質は分かりませんでした。
私が所属する環境系の柳沢先生は、廃プラ施設周辺の空気を分析し、一般の空気とは異なる多くの未知物質を検出しました。その中には皮膚粘膜刺激症状の原因物質であるアルデヒド類や、脂肪族炭化水素類が多いことも分かりました。柳沢先生は、未知の化学物質は原則有罪と考えることが公害の歴史の教訓であると指摘しています。
寝屋川の症状とよく似た症状である杉並病について、公害等調整委員会は、「本件は,特定できない化学物質が健康被害の原因であると主張されたケースである。ところで,この化学物質の数は2千数百万にも達し,その圧倒的多数の物質については,毒性をはじめとする特性は未知の状態にあるといわれている。このような状況のもとにおいて,健康被害が特定の化学物質によるとの主張,立証を厳格に求めるとすれば,それは不可能を強いることになるといわざるを得ない。本裁定は,原因物質の特定ができないケースにおいても因果関係を肯定することができる場合があるとしたものである」とし、物質を特定することなく、処理施設から排出される化学物質が病気の原因であるとの判断を示しました。
ペットボトルのリサイクルなど、廃プラ処理施設は「環境にやさしい」というイメージのもと、今後も増加すると思われます。寝屋川で「問題無い」として操業が続くことになれば、杉並、寝屋川と住宅地に隣接して処理施設を作ることが正当化され、次々に不調を訴える人が現れても、「公共性、公益性があり、忍従すべき」と押し切られる流れができてしまうかもしれません。
一度失われた健康は、完全に元に戻すことはとても困難です。みなさまの地域でもできてしまう前に、身近に起こりえる問題として考えていただければと思います。

(引用ここまで)

同様の被害が杉並区でもあるのですね(*_*)
そこで寝屋川市のホームページを見てみると、ああ、ありました。これですね。

(引用はじめ)
廃プラとペットボトルの同時収集
http://www.city.neyagawa.osaka.jp/index/soshiki/gomigen/gomigen-pura.html
プラスチック製容器包装(廃プラ)とペットボトルの同時収集について
今まで別々に収集していましたプラスチック製容器包装(廃プラ)とペットボトルが、北河内4市リサイクルプラザ(かざぐるま)の稼動(http://www17.ocn.ne.jp/~recyclek/)により同時収集が可能となりました。
同時収集が可能になったことにより、プラスチック製容器包装とペットボトルを同じ袋に入れてごみステーションに出せるようになりましたが、今までどおりペットボトルのキャップとラベルは取りはずしてください。

(引用ここまで)

雪どけ水には科学は分かりませんが「プラスチック製容器包装とペットボトルを同じ袋に入れて」ごみステーションに持って行ったら…そりゃマズイんじゃなかろうか(*_*)
どうも調べてみると、この辺りがアヤシイ…。ただこの問題は日本社会に特有なセンシティブな問題を含んでいます。センセーショナルな報道はかえって害毒でしょう。

(引用はじめ)
迂回献金疑惑 民主・樽床衆院議員を告発/廃プラ“住民被害よそに”/寝屋川の市民団体.
http://news.livedoor.com/article/detail/5279428/
 民主党元国対委員長の樽床伸二衆院議員(大阪12区)が代表を務める党支部をめぐる迂回献金疑惑で、大阪府の市民団体「寝屋川市民オンブズマン準備会」(中川正彦代表世話人)は18日、樽床議員と、同議員側に巨額献金をしていた廃プラスチック関係の会社会長ら5人に対する告発状を大阪地検特捜部に送付しました。
 告発状によると、大証ヘラクレス上場の物流会社「ワールド・ロジ」(大阪市)の会長は2005年8月14日、個人献金の上限額の2000万円を樽床議員が代表の「民主党大阪府第12区総支部」に献金。会長所有のマンションを本店所在地にして設立され、会長の妻や親族が役員に就任するなどした関連会社2社の名義でも同月5日、各750万円計1500万円を献金しています。
 告発状は、05年8月に、会長が政治資金規正法の量的制限の規制枠を超えて樽床氏側に3500万円もの巨額献金を行う必要があった背景事情についても説明しています。
 それによると、容器包装リサイクル法にもとづく廃プラスチックの再製品化を目的として設立されたワールド社の子会社「リサイクル・アンド・イコール」(寝屋川市)は04年、工場を建設し、試験操業をおこなっていました。しかし、現実に操業するために必要な容器包装リサイクル協会による事業者登録が05年度事業では認められず、当時、同社は登録許可を求めていました。
 一方、イコール社と密接な関係で設立された北河内4市リサイクル施設組合は04年12月、環境省に「整備計画」を提出し、国庫補助金の交付を申請していました。
 こうしたなか、イコール社の工場と4市組合の施設建設予定地(当時)の周辺住民は、05年8月3日、工場操業が地域の健康と環境を害するとして、大阪地裁に操業停止と施設建設差し止めの裁判を提訴しました。
 告発状は「住民の激しい反対の中で円滑な事業推進ができるかどうかの瀬戸際にあった時期に、樽床氏側への巨額な寄付がおこなわれた」と指摘。「実際、その後、イコール社はリサイクル協会に事業者登録され、4市組合は06年3月に国庫補助金交付の内示が行われた」としています。(略)

(引用ここまで)

この問題は地元の共産党が孤軍奮闘という感じ。共産党ガンバレ!!

寝屋川の我が家ね(ネヤガワノワガヤネ)

リサイクルよりまず省エネ。
お粗末さまでした(^o^)
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