ハシズムvs.ハシズム 鏡の中の大阪市

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昨日(27日)に投開票された大阪府知事選・大阪市長選。結果はまあ予想通りの期待外れとでもいうべきもの。大阪維新の会の圧勝です。
圧勝といっても獲得したのは浮動票がほとんど。無党派層の政治動向は基本的に流動型です。圧勝したにも関わらず権力構造は不安定という状況がしばらく続きます(*_*)

さて、大阪のことは大阪の人に任すより他には無いのかもしれませんが、なぜ橋下新体制があれほど熱狂的な勝利を勝ち取ることが出来たのかは他県の人間にも興味があります。
そこは他人事ではない。新自由主義の勢いは小泉改革の頃と比べても弱まっているし、だいたい野田政権もかなり新自由主義的です。それなのになぜ…(?_?)
そこで興味深いTweetがありました。事はやはり単純ではないのですなぁ。
↓↓↓
雨宮処凛(@karin_amamiya)on Twitter
http://twitter.com/#!/karin_amamiya/status/140812669539188736
大阪市長選が終わり思うこと。橋下さんか平松さんかという二択しかないことが一番の不幸だったような。少なくとも、7月くらいの朝日新聞の生活保護に関する平松さんの談話はひどかったです。今回、平松さんへの推薦コメント?みたいな依頼がありましたがお断りさせて頂きました。続く。
↓↓
http://twitter.com/#!/karin_amamiya/status/140813379026690050
続き。いくらハシズムがヤバいと思っても、そこだけは譲れなかったので。もちろん理由もお伝えしました。今回の選挙、何か象徴的というか、今まさに考えなければならない課題が猛烈にたくさん詰まっていると改めて思っています。


ふうん。平松前市長がいったい何を述べたのか。大阪市の生活保護世帯の急増は選挙前から指摘されていました。それは今回の選挙戦でも隠れた争点の一つです。
で、探してみたら、何と有料でなければ読めないようになっていました。さすが朝日新聞。せこいなぁ…(*_*)
それでもさわりの部分はタダで読めたので紹介します。これでも内容は十分伝わるでしょう。

(引用はじめ)
〈耕論〉 「働かざる者、食うべからず」か 生活保護、どう改革
http://astand.asahi.com/webshinsho/asahi/asahishimbun/product/2011072800017.html
努力しない人、打ち切りも
大阪市長・平松邦夫さん

 「働かなくても最終的には生活保護が面倒をみてくれる」という風潮が広がっています。大阪市の生活保護受給世帯のうち、65歳未満で働ける人がいる世帯の割合は、2008年8月は9%でしたが、11年3月には21%に増えました。他の自治体も同じ傾向です。
 08年にリーマン・ショックが起きましたが、職を失った人々への公的支援が不十分だったため「失業すれば即、生活保護」という形で、受給者が増えました。語弊があるかもしれませんが、働く能力のある人が平然と生活保護を受けられるようになってしまった・・・

(引用ここまで)

ヒドイですな。確かにこれでは批判を避けることはできません。大阪市長選はハシズムvs.平松ではなかった。ハシズムvs.ハシズムだったのです。
なるほど。それではより優秀なハシストである橋下氏が圧勝したのは理の当然。平松前市長は橋下氏の人格攻撃をしながら、政策的にはハシズムに近づいていった…。

それを予言していたかのようなブログを見つけました。事態はこの人が危惧したような方向に向かっていき、危惧したような結果を迎えたのでした。

(引用はじめ)
2011/07/21 平松大阪市長の発言(ささやかな思考の足跡)
http://ono-blog.cocolog-nifty.com/sikou/2011/07/post-bea5.html
 今日(引用者注 7月21日)の、朝日新聞のオピニオン欄で、大阪の平松邦夫市長が、生活保護について、「努力しない人、打ち切りも」という文を載せていた。もともと、生活保護の有期化に熱心な人ではあったのだけど。稼働世代の受給の増加を問題にしながら、「働かなくても最終的には生活保護が面倒みてくる風潮が広がっている」と批判する。もちろん、国が責任をもっておこなうべきものという主張は、たしかにそうだけれども、「えり好みさえしなければ、働き口は十分にあります」だとか、「収入が保護基準に満たない場合は公費で補えばいい」という主張は、事実・実態をふまえていないし、後者のほうはいまも、そういう制度で運営されている。この人は、そういう基本的な認識のうえで、歪みがある。
 だけど、大阪をめぐってややこしいのは、大阪では、あたかも、橋下さんと平松さんの対決が、最大の問題のような報道をされていることだ。考えればすぐにわかることだけれども、新自由主義的な視点で、福祉の切り捨てに乗り出す姿勢は、橋下さんと平松さんの間には、それほど大きな差があるようには思えない。同じ、勢力の中での手法のちがいがあるにすぎない。本当の対決は、別なところにあるのではないのだろうか。そう考えると、大阪で、福祉を守り、発展させるような府・市政をつくっていくたたかいは、その本当の対決点を、メディアのキャンペーンをはねのけて府民・市民の前に提示するというとてもしんどい仕事がまずあるのだなあと。
 秋の選挙まではまだ多少の時間はあるが、大阪の問題は、結構、全国的な影響を与えかねない側面もある。なにしろ、中央政界でも、2大政党勢力は、完璧に行き詰まってしまっているのだから。そのなかで、大阪で、どのような議論と論戦はなされていくのかは、ちょっと注目せざるをえないところなんだけれども。

(引用ここまで)

さて対立軸を失った2大政党の限界が明らかになったところで、ハシズムは全国的に広がっていくのか、それとも矛盾を露呈し解体していくのか…興味のあるところです。
考えてみれば橋下さんはテレビ界の人間。平松さんもラジオの人間。
「本当の対決点を、メディアのキャンペーンをはねのけて府民・市民の前に提示する」なんて話は無理筋もいいところでしたな(^_^;)
2大政党を批判しつつ、2大政党でもし得ないような悪政を推進する大阪維新の会。その評価が下されるのは、もう少し先の話です…。

維新恣意(イシンシイ)

東京も大阪もどうなっているのやら。
お粗末さまでした(^o^)
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テーマ : 大阪府知事選 - ジャンル : 政治・経済

コメント

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細かく(2)

雪どけ水さん、こんばんは。
少し訂正を:【考えてみれば橋下さんはテレビ界の人間。平松さんもラジオの人間】と言うコメントの中の【平松さんもラジオの人間→平松さんもテレビ界の人間】が近いと思います。というのも、平松さんは、大阪・MBSテレビの夕方ニュース「MBSナウ」で、とても人気のあるキャスターだったので。
あと、橋下さんについて・・・注目は、水道事業の統合です。遅くても、1年以内に【大阪府、大阪市の水道事業を統合できないようでは、大阪都構想は、無理です】から。大阪市議会の過半数を取ってはいませんが、・・・大阪府知事、大阪府議会の過半数、大阪市長、大阪市議会の第一党ですから・・・(水道事業の統合で、大阪都構想のやる気、実現が分かります)。

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不器用 さんへ

> 少し訂正を:【考えてみれば橋下さんはテレビ界の人間。平松さんもラジオの人間】と言うコメントの中の【平松さんもラジオの人間→平松さんもテレビ界の人間】が近いと思います。

なるほど。ハシズムとはテレビメディア・ファシズムかも(^_^;)

水道事業は注目ですね。これからチェックしていくための指標に成りそうです。

大阪市の生活保護受給者について

非常に数が多く、市の財政を圧迫している事実、親子3代生活保護受給者がいる現実、不正受給が非常に多い現実。
シビアです。
大阪で生活保護を現状のままにしていいと言えば、まず選挙には通らないでしょう。

生活保護を受給しながら熱心に少年野球の面倒を見ている人がいる、とても有難い行為であるのですが、周りからは「働けるやん」となるわけです。この辺りをどうするかで平松市長が非常に苦慮されている談話があります。

平松市長の生活保護に対する姿勢は、フルタイム働けない人には短時間の就業支援や、ボランティアなどを数時間でもやって貰う、など、少しづつの就労支援をし、働く力をつけて欲しいというもので、単純に切り捨てるといったものではなく、一生懸命やっておられたと思います。
ただこういった姿勢や取り組みは一朝一夕に目に見える数字が出るものでは無いので、伝わらない悲しさはありますね。

No title

すみません、もう一言。
橋下と平松、2択しかない不幸、
これは確かにそうでしょう、投票率は60%です。
共産党から立候補した候補が、立候補を取り下げました。
それほどまでに橋下=ハシズムに危機感を覚えたのです。

今回の選挙の争点は「生活保護のみ」が争点ではありませんでした。
区別に得票率を見ると、生活保護受給者が最も多い西成区で平松氏が最も多かったのですが、それでも、西成区でも橋下氏の得票率が上回りました。

橋下vs平松がハシズムvsハシズムと見えたとのこと。
勿論、見方はそれぞれの判断であり、正誤を問うものではありませんが、
平松氏を支持した市民、共産党党員にとって、このような見方をされることは
驚愕であり、怒りと失望を感じることを付け加えさせて下さい。



mikicha さまへ

コメントありがとうございましたm(_ _)m

> 平松氏を支持した市民、共産党党員にとって、このような見方をされることは
> 驚愕であり、怒りと失望を感じることを付け加えさせて下さい。

仰せの通りで、選挙が「よりマシ」な方を選ぶ制度だとするなら平松氏は橋下氏よりはるかにマトモな候補でした。
世間は橋下氏の「脱原発」姿勢を過大評価しますが、実際には平松氏も「脱原発」を唱えしかも先進的なものだったと思います。
そんな平松氏にさえ妥協を強いるほどハシズムの風は強かったということでしょう。この風は本当に得体のしれない気味の悪い風だと思います。

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